出版業界の現実を垣間見ることができる小説~騙し絵の牙 塩田武士~書評・感想

紹介書籍情報

騙し絵の牙
塩田武士(著)

文庫版には大泉洋の解説を収録

出版社:KADOKAWA
文庫: 432ページ

2020年6月映画公開予定

内容紹介

大手出版社の編集部に務める、速見。

速見はカルチャー誌「トリニティ」の編集長。

出版不況の煽りを受け、「トリニティ」の存続が危ぶまれる。

「トリニティ」存続のために速見は奔走する。

感想等々

私、大泉洋さんが結構好きで、ジャケ買いした一冊。

雑誌「ダヴィンチ」で連載されていた作品です。

この「騙し絵の牙」、
大泉洋さんを主人公・速見役にした、
当て書き小説です。

なぜこのような作品が作られることになったのかは、
文庫版に収録されている解説に書かれていますので、
気になった方はそちらをお読みください。

この作品を読むと、
今の出版業界の置かれている状況や、
出版業界の構造を垣間見ることができます。

作中で描かれる出版業界に関して、
どの程度の脚色があるのかはわからないのですが、
リアリティのある作品だなと。

元新聞記者の作者だからこそ、
出すことができるリアリティなのでしょうか。

「騙し絵の牙」は、
社会派小説の側面とエンタメ小説の側面を持っているのではないかと思います。

物語の佳境でわかるタイトルの意味。
興味を持たれた方はご一読を。

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