ただのミステリー作品ではない!~戦場のコックたち 深緑野分(著)~書評・感想

紹介書籍情報

戦場のコックたち
深緑野分(著)

文庫: 544ページ
出版社: 東京創元社 (2019/8/9)
発売日: 2019/8/9

内容紹介

第二次世界大戦、ヨーロッパ戦線における米軍が舞台。

主人公は「食べること」が楽しみな17歳の少年、ティモシー(ティム)。

彼は志願兵として入隊。
その後、特技兵としてコックになる。

コック兵として戦場へ赴くティム。

そこで、
ティムと仲間の若い兵士たちはたびたび奇妙な事件に遭遇する。

「戦場での謎解き」と「戦場」を描いた作品。

読んでみて。感想等々

単行本発売当初よりずっと読みたいと思っていた一冊。

積み本が多く購入を控えておりましたが、
めでたく文庫化されたので即購入!

数日かけてゆっくり読ませていただきました。

「このミステリーがすごい!」等のミステリーを掲げる賞にノミネートされていたため、
ミステリー色が強いのかと思っていたのですが、
「戦争もの」としてもしっかり描かれており、感嘆しました。

序盤は戦争色よりミステリー色の方が強く感じたため
(戦場の凄惨な描写が少なめだからだと思います)、
「ミステリーなんだな。どういう結末になるんだろう」と普通のミステリー作品を読むような感じでページをめくっておりました。

しかし、終わりに近づくにつれ、
戦争ものとしての色も強く感じるようになり、
読み終えた時には、
「戦争を描いた作品として後世に読み継がれてゆく作品なのでは」と思うようになりました。

わたくし、戦争ものの作品はあまり得意ではないのですが、
この「戦場のコックたち」は大変良かったです。

多くの賞にノミネートされたことに、
読んでみて納得です。

異論はございません!

読んで損はない作品だと思いますよ!

それと、本の評価と関係はないのですが、
翻訳本かと錯覚してしまう作品でしたね。

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