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写楽 閉じた国の幻 島田荘司(著) 書評・感想

紹介書籍情報

写楽 閉じた国の幻 (新潮文庫)

上巻: 496ページ
下巻:480ページ

島田 荘司 (著)

内容紹介

とある事故をきっかけに、
主人公の元大学講師が世界三大肖像画家「写楽」の正体を解き明かすために奔走する。
わずか10ヶ月程活動した後、忽然と姿を消してしまった「写楽」。
その正体とは?

といった内容。

内容紹介としては些か「?」という感じになってしまいますがご容赦を。

読んでみて。感想等々

日課になっている本屋散策をしているときに心引かれ購入。

この本を読むまで写楽の正体が謎に包まれているとは私一切知りませんでした…。
主人公の生きている「現代編」と写楽の生きていた「江戸編」で構成されています。

「江戸編」を読んでいるとき、若干登場人物を整理するのに時間を要してしまいました。(私の能力不足です…)
先の展開が気になり、ページをめくる手が止まりませんでした。
「現代編の事故の行方」、「主人公の心情変化・取り巻く環境の変化」、「主人公を助けてくれる大学教授の謎(助けてくれるのには裏の意図があるのでは…?)」等々思いを巡らせながら楽しく読ませていただきました。

ですが…

実は残念な点がございまして、この作品…未完!!!
打ち切り漫画のような終わり方をしてしまうのです!
(でも安心してください。写楽の正体については物語中でしっかりけりがついております。)

このようになってしまった経緯は、ページが足りなくなってしまったからのようです(あとがきでふれてます)。
是非とも続編、もしくは完全版として再刊行していただきたいですね。

あとがきで書かれているのですが、
この作品を制作するにあたって様々調べているようで、作品ひとつ創るには相当な労力がかかることを再認識しました。

私は写楽に関しては知識皆無のため、本作品を読んでいても特に違和感はなかったのですが、
知識のある方々すると突飛な写楽正体説みたいです。
いくつかそのようなレビューをみつけました。

そのあたりに関しましては、
小説つまりフィクションとして楽しめる方であれば何の問題もないのではと個人的には思いました。

文庫版で読んだのですが、
上下巻になっておりまして、総ページ数は900超えです。
「900ページごとき余裕で読めるわ」かつ「未完であってもOK」という方はご一読を。

著者紹介

島田荘司

小説家、推理作家。ノンフィクション、エッセイも執筆する。
代表作に「御手洗潔シリーズ」がある。その他著書多数。
受賞歴:第12回日本ミステリー文学大賞

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